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愛おしいキミに極甘な林檎を
第56章 あなたを愛しているから……

大好きな温もりに触れながら思い当たる言葉をかけられて目頭が熱くなってきた。
でも泣かないようにぐっと堪えて、ぽふっと顔を埋める。
「このくらいどうってことありません。ソラ先輩がいるから私は頑張れます」
「それは俺の台詞だよ。毎日、風子のために頑張ろうって思えてくるし。
……ねえ、郁哉さんに今日も送ってもらったんだよね。変わりない?」
名前を出されてパジャマを握っていた手の力が緩む。
こんなにも反応してしまうんだから、今の私にとって仕事で抱える悩みなんてちっぽけなものなんだろう。
「ないですよ。仕事の話をして送ってもらうだけです。
私も新しく入ってきた人に教えているんですけどね、手より口の方が動く人なので私も一緒に怒られちゃうんですよ」
少し笑ってからまたソラ先輩と目を合わせると、困惑が含まれているような穏やかな表情を浮かべられる。
「本当にそれだけ?」

