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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔



「えっ……」


「夫婦なんだから異論はないだろう」


立ち上がった郁哉さんは私の元に近づいてきて、結婚してからずっと触れなかった私の体に手を伸ばしてくる。


それから何をされたのか覚えてないけど、あの約束は守られていた気がした。



約束したことは守るいつまでも真面目な人。


些細なことでぶつかり合うけれど、優しくて暴力も振るわないし、年下でまだ大人として未熟な私を包んでくれる。


一番愛している人と似ているのにどこか似ていない。


ソラ先輩と出会わずに結婚していれば確実に幸せになれた。



二番目に好きな人。




窮屈に思う結婚生活を過ごしながらもソラ先輩と再会してからは楽しみな僅かな時間がやってくるようになった。


会っているのは郁哉さんが仕事中で、ソラ先輩の仕事休みと被った日。



「ママ。おじちゃんもいっしょ!」


今日もたくさん遊んでもらった後、結菜がソラ先輩の手を引っ張って一緒に帰りたいと駄々をこねる。


「だめ。おじちゃんは一緒に帰れないんだから困らせないの」


「なんで?なんでいっしょにかえれないの?」


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