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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

「…………」
何も気づかれてないと思っていたからドキッとして表情が曇った。まったく、勘のいい彼氏だ。
私にはソラ先輩に話せていない想いがある。
嫌がらせとは関係ないけれど、それもとても大事なことだった。
聞かれた今だって怖くてその事を話す気になれない。
「急かさないから、話せるようになったら話してね。……結婚した後でもいいから」
「はい……。すみません……」
優しい言葉に甘えてそれだけしか言わなかった。
ソラ先輩はそんな私にキスをしてから着替えに行き、いつものように晩御飯を作り始める。
料理を作る物音を聞きながら私は体を休めた。
不器用ながらも愛情がたっぷり詰まった晩御飯を食べてからは、ふらふらしていた体を動かせるようになった。
ソラ先輩がゆっくりしている時を見計らい、バレンタインデーに渡すチョコの準備を始める。

