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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

「ありがとう。今年も美味しそうだね。いただきます」
ダイニングテーブルの椅子に座ったソラ先輩は、四角に切って小さな箱に敷き詰められたチョコを左上の角から順に食べていく。
左上の四つ目がブランデーをたくさん混入したものだ。
見た目は何も変わらないから、いくら感の鋭い人でも気づけないと思う。
今までソラ先輩の酔った姿は見たことがない。だからこそ見てみたかった。
「今年は大人の味にしたんですよ。お口に合いますか?」
「うん。洋酒が効いていて美味しいね。風子も食べてみる?……ほら、あーんして」
そっと生チョコを摘んで私の方に運んでくるから、恥ずかしくなりながらも口を開けてぱくりと食べた。

