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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

私のために取ってくれたのは三つ目のチョコだから食べても安心だ。
「大人の甘さですね。イメージ通りに作れたと思います。あっ、手を汚しちゃってすみません」
食べさせてもらう時にソラ先輩の指が私の口に触れてしまい、チョコだらけになってしまった。
「いいよ」
ココアパウダーと私の唾液がついたその指を何気なく舐め取っていた。
それは愛液を舐める時に見せる官能的な仕草に似ていてドキッとする。
していることは些細なことなのに、色気があるせいで厭らしい目でしか見れなくなる。
「あの……、他の女の人からチョコはもらいましたか?」
「もらったよ。那砂さんから」
「そうじゃなくて、那砂さん以外からですよ」
「ははっ、もしかして心配してる?うちの会社は、義理チョコを配ることをやめたいって意見を持つ人が多くなって禁止するようになったんだ。だからもらってないよ」

