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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

「流石、大企業……。先に進んでますね……」
そう言いながらも内心は彼氏のことを狙っている女がいなくて安堵していた。
狙っている女がいたとしても、ソラ先輩が突っぱねているからライバルが登場しないだけなんだろうけど……。
「あれほど女が苦手だって言ってるのに毎年聞いてくるよね。高校生の時も聞いてきたし」
「彼氏が他の女からチョコをもらってるか気にならない女の子はいないと思います。高校生の頃に聞いていたのは……、モテるからいっぱいチョコをもらってるのかなーって思っていたから……」
「もらってないよ。俺は風子にだけもらえれば十分だからね」
嬉しくて口元を緩める私を前で、ソラ先輩はブランデーが多めに入った四つ目のチョコを口に運んで食べていた。
洋酒の味が濃いはずなのに何ともない顔をしてもぐもぐと食べている。
「……チョコをもらうのを断った時、自分に好意を持ってくれた女の子を傷つけてしまったなって思わなかったんですか?」

