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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

会社帰りに買った本をソラ先輩に見せて意気込みを伝える。
ご年配の人との食事となると和食になるだろうから、買ってきたものは座敷のマナーが書いてある本。
これをしっかり読んでから食事会に挑むつもりだ。
「勉強をしていても損はないけど、社長と言っても普通の人だよ?仕事じゃないんだから、あまり気負わなくていいからね」
「そういう訳にはいきません!今度こそソラ先輩のお婆さんにいいところを見せないとですから。
それに……、ネットで騒ぎになって迷惑を掛けてしまいましたから私がしっかりしないと……」
真実さえも目にしていないソラ先輩の祖父母にとって、出回ったあの噂は大事な孫を傷つける許せない出来事。
そんなことが起きた後に会うのは本音を言うと薄氷を踏む思いだ。
自分のしてしまった過ちにしゅんとすると、そっと顎を持ち上げられて優しいキスをされた。

