この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

前の席の対応を終えたパーサーがワゴンを押してゆっくりとこちらへと向かってくる。
歩き出したと気づいているはずなのにソラ先輩はまだ私のスカートを元に戻さない。
何を考えているんだろう……。
ソラ先輩に視線を向けるとニヤニヤと悪戯している顔ではなく、にっこりと微笑んで私を見ていた。
「何か飲む?紅茶?コーヒー?」
ひっそりとたくし上げられたスカートのことについて何か言うと思っていたのに、全く関係のないことを聞いてきた。
「紅茶がいいです」
質問に答えてもまだ下ろしてくれない。
「分かった。紅茶がいいんだね」
しかもスカートを戻そうとしても手を伸ばされてソラ先輩に阻止され、何やかんやしているうちにパーサーが近づいてくる。
「すみません。紅茶とコーヒーをください」

