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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



乗っていた新幹線が東京に到着したのは正午になる前。


色んなところを見て回りたい気持ちになりながらも、観光もすることなく食事をする予定の店へと真っ直ぐ向かった。


地名を言われても、どの電車に乗ればそこに行けるか分からない田舎者の私はただひたすらソラ先輩について行く。



着いた店は格式の高そうなレストラン。


英語で書かれた店の名前を見てもどんな料理が出てくるのか想像できない。



でも明らかに私が予想していた店とは違っていた。


「少し早く着いたね。お爺様たちはもう少しで来るみたいだし、先に店内で待っていようか」


「はっ、はい!分かりました」




店の中へと足を踏み入れると、そこは内装や装飾のすべてに高級感が漂っていてまるで高貴な館のようだった。


しかも案内されたのは何席か並んでいるテーブルではなく個室。


プライベートな空間でさえ立派な一室で、本当にこの店に招待されているのか疑いたくなる。


だけどその前に、テーブルの前へ案内してくれたウェイターが引いてくれた椅子へ座った私はあることに気づいて絶望した。


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