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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

真っ白いテーブルクロスが敷いてある上に並んでいるのは箸ではなかった。
高そうな金縁の皿と銀色のナイフにフォークとスプーン。
ここに魚の煮付けや煮物が並ぶわけがない。
料理は明らかにイタリアンかフレンチだ。
……しまった。御年配ということもあって絶対に和食がくると思っていたから、洋食のテーブルマナーは全く勉強してこなかった。
隣の椅子をウェイターが引いている時、
「和食じゃなかったんですか!?」
っと口では言わず強い視線でソラ先輩に訴える私。
するとソラ先輩が腰を下ろしながら横目を向けて細めて
「ごめん。俺も和食だと思ってた」
っと心の中で返事をしているように見えた。
向かい側に座るソラ先輩の祖父母はまだいない。
食事が始まる前にテーブルマナーを教えてもらおうとも思った。
でもきっちりとした格好のウエイターが部屋の隅に二人もいる。
「ソラ先輩……、いらっしゃるのはお爺さんとお婆さんだけなんですかね?」

