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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



しかも既にこの場の空気を読んでいる。



“俺の、真似をして食事をすれば、オッケーだから。きっと上手くいく”


恐らく和食のテーブルマナーしか勉強していなかった私にそう言いたいんだと思う。


手の動きは素早かったけど、単純なサインのおかげですぐに分かった。


高校生の時も私がピンチになるといつも色んな形でフォローしてくれていたから、このくらい見抜くのは簡単だ。


いつまで経っても面倒見がいい先輩で助かる。



気を引き締めた私は理解したことをソラ先輩に伝えるために、真剣な眼差しをして頷いた。


大丈夫、大丈夫、大丈夫。


いつもソラ先輩が不安な私に掛けてくれる言葉を脳裏に浮かべて心を落ち着かせる。


でもあまりにも緊張しているのかトイレに行きたくなってきた。


「あの……、御手洗に行ってきても……」


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