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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

「はい。問題ありません」
最早、再び動き出すまで黙って見聞きしているしかない。
「事故の怪我はもう大丈夫なの?」
「リハビリも続けていましたから、今はもう何ともありません。……今日は俺の事よりも話すことが他にあるんじゃないでしょうか?」
「いいじゃない。久しぶりなんだから」
可愛い孫に向けているお婆さんの優しい表情が私の方を向いた途端、一気に険しくなる。
「あなた……、せっかく食事に誘ってあげたのにまだ食べないの?まさかフレンチも食べたことがないとは言わないでしょうね?」
「たっ、食べたことがあります。いただきます……」
一応、高そうなレストランで食事はしたことがあるから嘘をついていないと思う。
でも肝心なテーブルマナーは全く分からない。
ヒヤヒヤしながらも隣に視線を送って静かに助けを求める。

