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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



それに気づいてくれたのか、外側からフォークとナイフを取ったソラ先輩は、私に手本を見せるように急いで料理を食べてくれた。


私も手順を真似て食事を始める。


美味しい料理なのに、気が張りつめているせいで何の味も感じないのが悔しい。



「叶斗が家に行ったようだな。話は聞いたか」


「はい。お爺様とお婆様が俺たちの結婚を認めてくれると」



「そんなことは一言も言っていない」


チッと悔しがるような素振りを一瞬だけ見せたソラ先輩。


確かに叶斗さんから認めてくれていたと言われてない。


どうやら結婚の話がスムーズに運ぶようにはったりをかけたようにも思えた。


「では、何のことですか?」



「その結婚のことだ」


「父からは入籍する前に彼女の顔を見せに行けとしか聞いていません。

婚約をして両家の顔合わせも済んで来月に結婚しますし、今更それ以外に何の用があるんでしょうか?」


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