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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

それを言われてフォークを持っていた手の動きがピタリと動きが止まった。
「あの条件の下で結婚したら私を認めてくれるかって聞いたことでしょうか?」
「うん」
話し合わなければならないことを持ち出されて、食べているケーキではなく、テーブルの上に置いたクリアファイルが視界に入ってきた。
今、冷静になって考えてみるとお爺さんに聞いたことはソラ先輩の意見を反対するようなものにも思える。
でもあの質問は素直に気になったから言ったまでだ。
持っていたフォークを皿の上に置いた私は隣にいるソラ先輩の方に体を向けてじっと見つめた。
もの言いたげな目を向けられていても動じることなく真っ直ぐに……。
「ソラ先輩のお嫁さんになれるなら、……私はお爺さんとお婆さんが出した条件に従おうと思ってます」

