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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



「二分の一の確率です。できるまで産むしかありません」


真剣に話している私がどうかしているように見えているのか、更にソラ先輩の眉間にしわが寄る。


「本気で言ってるの?」


「……半分本気です」


「半分……」


「何人産めば男の子か産まれるのか、全く想像つきませんから少しは怖いです。

でも出産はそう簡単にできるものではないですから、その辺は大目に見てくれるかなって」


「なるほど……」


書かれている条件の中でも一番難易度が高いものに対しての自分の考えを言うと、少しは理解してくれたのかチョコレートケーキと飲み物を口にし始める。


残り半分くらいになった時に、味見してみたいとそのケーキに視線を送っていると気づいてもらえて、その残りを私の口へと運んでくる。


遠慮なく大きく口を開けてそれをぱくりと食べた。


「ありがとうございます。ソラ先輩の食べかけ美味しいです」


笑顔でお礼を言うと、ソラ先輩は私の口の端についているクリームを指ですくって舐めていた。



「……俺は風子につらい思いをさせたくない」


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