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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

小走りで勢い良く登場したのは昴くんだった。相変わらず元気で可愛い弟だ。
「久しぶり。どうかしたの?あっ、大学受験の結果が発表された頃か」
「そうなんだよー!僕、医大に合格したんだ」
「おめでとう。よく頑張ったね」
「昴くん、合格おめでとう」
「ありがとう。兄さんと姉さんももうすぐ結婚するんだもんね。おめでたいことづくしだね!
遂に、僕にお姉ちゃんができるのかー。美人だから緊張するけど、兄弟が欲しかったから嬉しいな」
にっこりと笑って喜ぶ昴くんを前に「狙うなよ」っと言っていそうなソラ先輩の視線が一瞬だけ見えた。
一緒に笑っているけど笑顔が怖い。
「お爺様とお婆様から聞いたけど、兄さんたちは子供を作るように言われているんだよね?そうなると僕が叔父さんになる日も近いのかぁ」

