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第59章 ふたりからひとつへ

会釈をしてから私もソラ先輩の後に続く。


お婆さんに睨むような視線を向けられて少し怖くなる。


「塑羅くん、その子とのお別れの話は済んだのかしら？」


「いい加減にしてください。俺は彼女としか結婚を考えていませんので。
……そしてこれが俺たちの答えです」


椅子に座っているお爺さんの前まで行ったソラ先輩は、同意するサインを書いた紙が挟まれているクリアファイルを見下ろしながら突き出す。


でもその中身を見てもお爺さんの表情は何も変わらなかった。



「ほお……、また逃げると思っていたがこの条件を受け入れるのか」


「お爺様とお婆様に彼女を俺の妻だと認めていただきたいので。……彼女も同じ考えです」


私に答えを確認するかのように一斉に視線が集まってきたから急いで頷く。