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第59章 ふたりからひとつへ

緊張しながら答えるとしばらく沈黙の間ができた。


何か失礼なことを言ってしまったか不安になってソラ先輩の方を見た時、お爺さんが重たい口を開く。



「そうか。……分かった。式をする日が決まったら早めに教えなさい」


何か言われるかと思いきや、意外とあっさりと受け止めてもらえて私とソラ先輩は顔を見合わせた。


「ありがとうございます。決まり次第お伝えします」



「――――……待ちなさい」


お辞儀をしてからドアの方へ向かおうとした時、お婆さんが不機嫌そうな声で話かけてきてピタリと足を止めた。


「なんでしょうか？もう用事は済みましたし、お婆様に話すようなことはありませんが」


「塑羅くんに用事がなくてもお婆ちゃんにはあります。……風子さん、あなたは礼儀というものがなっていないと思うの」


「えっ……？」



「その脚よ。大人の女性として恥ずかしいと思わないのかしら？」