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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来



午後六時を過ぎた頃。残業が終わって会社の外に出ると私を待っていてくれる人がいた。


手を振ってくれている彼に近づいて行くと仕事の疲れが吹き飛び、次第に笑顔になっていく。


「おかえり」


「おまたせしました、ソラ先輩。帰りましょう」


恥ずかしく思いながらも握られた手を握り返して歩き出す。



「風子ー!弁当忘れてるぞー!げっ……」


でも背後から足音と共に潮崎さんの声が聞こえてきて、私は急いでソラ先輩の手を離した。


告白されたからというよりも、知り合いの前で恋人とベタベタするのはいつになっても慣れないからだ。


呼び捨てで呼んでいることが気に食わないのか、潮崎さんを警戒したのか、私よりソラ先輩が先に前に出る。



「えーっと、鈴木さんでしたっけ?お疲れ様です」


「どっ、どうも……。鈴木じゃなくて潮崎ですけど……」


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