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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来



潮崎さんはソラ先輩のことが苦手なのかへっぴり腰になっていた。


一方、ソラ先輩は敵対視しているというよりもあまり興味がないのか名前を忘れているようだった。



「同僚のお弁当を持ってきてくれるなんて優しいですね。いつも俺の彼女と仲良くしてくれてありがとうございます」


「いや…、その…昔から知ってる同級生なので……」


居心地が悪そうに話す潮崎さん。


この様子だと「さっき告白した」とか余計なことを言う余裕はないだろう。


ほんの数時間前のことだけど、過ぎ去ったことだからそんな彼に向かって私も微笑むことができた。



「お弁当持ってきてくれてありがとう。鈴木さん」


「風子までおれをいじるのかよ!?」


「えへへ。お疲れさまでした」



会釈をしてソラ先輩の方を見ると、優しくて幸せそうな笑顔をして手を差し出してくる。



「一緒に帰ろう。風子」


その姿を見た瞬間、見えない何かが自分の中にふわっと舞い降りてきて私は大きく目を開けた。


ずっと思い出せなくてモヤモヤしていた出来事が脳裏に浮ぶ。


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