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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

「…………」
強く抱きしめながら私のことを不安そうに見つめてくる塑羅緒さん。
その様子はなかなか開けることのできない目をしていても分かる。
「大切な女を死にかけるまで傷つけたんですから大空さんはボクが憎いでしょう……?」
私の体を支えている手からなんとなく感じ取ることができた負の感情。
今にも動き出しそうな塑羅緒さんの体を止めるように白いシャツをぎゅっと掴んだ。
すると気づいてくれたのか、自分を落ち着かせるように深呼吸をしていた。
「……そうだね。ここまでされると手を出したくなるほど気が狂ってしまいそうだ」
「だったらボクをなんとでもすればいいですよ」
「いや、そんなことはしないよ。風子がそれを望んでいないし、感情だけで動いたら悲しませてしまうからね。
……やっと話せる機会ができたから拳じゃなくて言葉で伝えるよ」
「今更何を話すっていうんですか……」

