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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

「風子さんっ!大丈夫ですか!?お怪我はないですか!?体調はどうですか!?」
急に質問攻めをされて驚いた私はフォークを咥えながら大きく瞬きをした。
息を切らして部屋に入ってきて大声を出したのは理人さん。
隣の部屋に迷惑を掛けないようにソラ先輩が静かにするようにジェスチャーして注意されていた。
「すみません。何も手につかないほど心配だったものでつい……。
目が覚めたと塑羅緒さんから電話で聞いてさっさと仕事を終えて駆けつけたんですよ」
フォークを置いた私は、困ったような顔をしている理人さんの方を見て微笑んで無事を告げる。
「理人さん、ありがとうございます。私は全然大丈夫ですよ」
「っ……、風子さん……!何ともないのなら一安心です。しかもケーキを食べるほど急激に回復なされていて兄として嬉しいです。
千十郎様やご両親もこの辺のお知り合いに聞いて回ったり、目が覚めない風子さんのことを心配して数十分おきに話されていたんですよ。でも今日は帰ったらいい報告ができます」
「この通り、元気なので何も心配いらないと言っておいてください」
「そうですね。塑羅緒さんがいるから大丈夫ですね。まったく、風子さんが眠っている間ずっと手を握ってラブラブさを見せつけていたんですよ」
「俺は風子と親しいからいいんです。それにこれくらい普通じゃないですか」
「僕だったら人前で手を繋げませんよ。ここは日本ですからイチャイチャするのは誰もいないところでしてもらいたいですね」

