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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意



涙でぼやけた視界に映っているソラ先輩は座っていた椅子をベッドに近づけた。


そして私を包むように強く抱きしめてくる。


触れられてから身体に染み渡る安心する心地良いぬくもり。


目を閉じて感じていると胸の苦しさも和らぐ。



「焦ったり、不安にならなくても大丈夫。風子は何も心配することないよ」


「っ…、ううっ……、でもソラ先輩が……」


「俺のことも大丈夫だから。今はゆっくり寝て休むことだけ考えて欲しいな。

きっと思い出せないのも今だけだよ。元気になったら記憶が戻るって」


「はい……」


泣き顔を上げて返事をすると唇の表面にそっと触れるくらいのキスをされた。


重なった瞬間、身体に熱い何かが走って唇が離れるのが名残惜しく感じる。


キスを終えてから私の頬を流れていた涙を親指でやんわりと拭ってくれた後、ソラ先輩は力強く微笑んだ。


「俺は絶対に風子を離さないから」


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