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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

スーツから私服に着替えたソラ先輩はベッドの近くにある机の上の物を退かしてから、母が作った晩御飯が乗ったトレーを置いた。
入院していた時もひとりで食べていたから久しぶりに誰かと食べるご飯。
母の配慮に感謝しながら自分の分のご飯を食べることにした。
「いただきます」
箸を持って肉じゃがのにんじんを食べようとするけど滑ってなかなか取れない。
苦戦しているとソラ先輩が近づいてきて代わりに箸を使って食べさせてくれた。
「美味しい?」
「はい。とっても美味しいです」
「あらあら、仲がいいんだから~。お父さんが見たら嫉妬しちゃうかも。
そのお父さんが寂しい思いをしてるだろうから、晩御飯を片付けたらお母さんは帰るわね。また明日の朝に来るから」
母もソラ先輩に私を託している感じがある。
部屋を見た感じ、同棲しているみたいだから気を使っているんだろうか……。
母が帰ってから寝る準備をしてベッドに戻って布団を被るとソラ先輩がやって来る。
「おやすみ。風子にはゆっくり眠って欲しいから俺はソファで寝るね。
ドアは開けておくから何かあったら言って」
「あの……、一緒に寝ませんか?」

