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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

「ソラ先輩……」
ほんの少しだけ潤んでいるように見えた瞳からは迷いもない強い決意を感じた。
吸い込まれるような真っ直ぐな瞳。
それに心を揺るがせられるから、自分が何度も好きになる理由が分かった気がする。
「今日は退院してきたばかりで疲れてるのに話しすぎたね。また明日話そう。……おやすみ」
肩まで布団を掛けられてから言われたとおりに眠ることにした。
でも目を閉じてもドキドキしてなかなか寝付くことができなかった。
それから二日経った日の朝。
母がやって来て、ソラ先輩が会社に行って、私はベッドの上。
この生活にも慣れてきて体も不自由なく動き、起きていることもできるようになったのに頭痛は治らなかった。
「風子ちゃんが寝ている間、上司の花城さんから電話があったわよ。
そのことを塑羅緒くんに伝えたら、会社に行けるようになるまで代わりに話しておくって言っていたから」
「上司……?」
「よくお世話になっていたじゃない。優しい上司がいるってお母さんにも話してくれたでしょ?」

