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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

ソラ先輩が寝室から出て行ってから十分くらい経った後。
布団から出てそーっとドアへ近づき、隣のリビングでしている二人の会話に聞き耳を立てた。
私に隠してする男同士の会話の内容をなんとしてでも知りたい……。
ドアを閉めたままではよく聞こえないから、少しだけ開けて隙間から覗くことにした。
「あの事件の後、大変でしたね。僕も色々と聞かれました」
ソラ先輩の対面に座り、冷蔵庫に残っていたノンアルコールのビールを握りながら話す理人さん。
「迷惑を掛けてすみませんでした。全部俺のせいです」
「自分を責めないでください。悪いのは犯人です。とにかくお二人が無事で良かったです。
……って、無事とは言えませんか……」
「バレていましたか」
「風子さんの話すことがおかしいので分かりました。……事件前後の記憶がなくなっているんですね」

