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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

結婚……?
ソラ先輩が彼女の前を去る……?
なにがなんだか分からなくなってきた。
しかも、どれも心がざわめくことで口を開けたまま呼吸をすることも忘れてしまう。
「どうしてそう思うんですか?」
「テレビで報道されるほど今回の事件が大騒ぎになってご自分を責めていらっしゃるでしょう。いくら僕が気にするなと言っても気休めにもなっていないようですし。
それに、一緒にいると風子さんを不幸にしてしまうと思っているじゃないですか?」
退院してきてからテレビは見ていない。
何か見たいと思って電源を入れても、母がなにかと理由をつけてすぐに消していたから。
きっとそのニュースを私に見せないようにしていたんだろう。
見舞いに来た家族も、ソラ先輩も事件について何も教えてくれなかったから隠している。
私を守るために……。
ドアにそっと手を当てた私はソラ先輩がなんと答えるのか怖くなりながら耳を傾け続ける。
「理人さんって、……意外と怖いですね。なかなかいいところを突いてきます」
「当たり…ですか……」

