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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意



それから布団に潜って眠ると、目を覚ました時には明るくなっていた。


隣の部屋から掃除機をかける音が聞こえてきて母が来ていることが分かった。


一緒に寝ていたはずのソラ先輩はいないし、カーテンの向こうがとても明るく感じるからどうやら私は寝坊したようだ。


今日も相変わらず頭が痛い。

この痛みから解放されていた時間に戻して欲しくなる。



重たい身体を起こしてベッドから出てリビングへ向かうと丁度母と会った。


「おはよう、風子ちゃん。塑羅緒くんはもう仕事に行ったわよ」


「そうなんだ。寝過ぎちゃった……」


「ゆっくり寝てていいのよ。今は寝て元気になることが仕事なんだから。
もう十時だけどお薬を飲まないとだから朝ご飯を食べましょうね」


母にテーブルの上に出された食事と薬を飲む毎日。


全て管理されていてまるで自分は子供みたいだ。


ベッドの上に戻っても何もすることがない。ずっと眠っていられるわけでもないし、今日は何をしよう……。



寝転びながらスマホを手に取ってニュースを見始めた時、急に電話を着信している画面に切り替わってビクッと驚く。


しかも電話を掛けてきた相手は電話帳に登録されてない人だった。


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