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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

この人は一体何を言っているんだろう。
私の名前を知っているから間違いではなさそうだけど……。
おまけに早口だからどういうことなのか聞くタイミングも逃して電話が終わってしまった。
ウエディングといえば結婚。
そして結婚関連の仕事をしている人が私に何かの確認をしてきたということ。
新郎はソラ先輩のこと……?
もしかしたら記憶をなくす前の私が何かしていたことなのかもしれない……。
気を取り直してスマホに触れていると開きっぱなしだったメモアプリの存在に気づいた。
【自分だけが使う場所、大切な物】
そこに書かれていたのは自分が書いた覚えのない二つのキーワード。
恐らく大切な物が私だけが使う場所に隠されているということなんだろう。
ドアを少し開けて、掃除を終えた母がリビングでテレビを見ながら休憩していることを確認してから寝室でそれを探すことにした。
まずクローゼットを開けてみたけど、ここはソラ先輩と共有で使っているのか服しか入っていない。
枕元、机、棚……、次々とそれらしい場所を探していく。

