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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

結婚式のことを質問すると和やかに話していた雰囲気が急に暗くなった。
不安に思いながらソラ先輩と母の顔を交互に見ると、眉を下げて気まずそうな顔をしていた。
「風子……、どうしてそれを……」
「えっと……、思い出したんです!日曜日に結婚式を挙げるって」
ソファに座っている私の隣に来たソラ先輩は、隣に腰を下ろしてネクタイを緩めてから顔を覗いてくる。
すぐ近くの台所で晩御飯を作っていた母も手を止めてこちらへやって来た。
「日曜日は何もないわよ。色々あって忙しかったから話が進んでいなかったんだけど、塑羅緒くんとキャンセルしなくちゃいけないねって話をしていたところだったの。だから風子ちゃんはゆっくり休んでいて」
「なんでキャンセルしちゃうの……?私はもう大丈夫だよ」
「大丈夫じゃありません。風子ちゃんの今の体調では結婚式はできないわ。
それに結婚式はいつでもできるんだから、体調が良くなった時に挙げればいいじゃない」
「お義母さんの言うとおりだよ。今は風子の体調が最優先だから。招待した皆にも延期するって俺から連絡しておくし、風子は何も心配しなくていいから」
「私は元気だって言いましたよね?ソラ先輩まで予定していた結婚式をしなくていいと思っているんですか……」

