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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

「……風子がそう言っても今回は俺は反対だよ。いつ倒れてもおかしくないんだから、体を大切にして欲しい」
「お母さんも反対よ。風子ちゃんのことを心配して言ってるんだから分かって」
「でも……」
頭が痛いだけで体も動くのにそこまで言われる意味が分からない。
私のためを思って言っているのは理解できるけど心配しすぎだ。
「風子ちゃん!もう大人なんだから我儘はやめなさい!」
「――――ソラ先輩とお母さんのわからずや!」
カッとなった私は立ち上がって二人に怒鳴ってから靴も履かずに家を出て走った。
玄関のドアを開けてから見えた外は曇り空で雨が降っていた。
急いでエレベーターに乗ってマンションの玄関へと向かう。
今でもズキズキとする頭痛に、急になくなってしまった記憶。
こんな状態で何もすることができない自分が悔しくて、悔しくてたまらない……。

