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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

ソラ先輩や母が心配してくれることを反対して困らせている自分が嫌なのと、記憶が不安定の状態の自分に悔しくてまた涙が出てくる。
過去を変えることもできないから、今の私ではどうしようもできないことばかりだ。
でも記憶をなくす前の自分の幸せを貫きたかった。
きっとそれがソラ先輩にとって、今の私にとっても幸せなことだと思うから……。
「本当に大丈夫なのかい?」
「大丈夫です。ダメだと言われたらまた逃げ出します」
「困ったな……。結婚式は風子のために挙げようと思っていたから、なるべく風子の意見を優先したいと思ってるけど……」
「一生のお願いです!お願いします!」
もう一押しだと思った私はソラ先輩の胸に飛び込むようにぎゅっと強く抱きついた。
体をピタリと密着させているから胸もふにっと潰れている。
「うーん……。ダメだと分かっているのにあまりにも風子が可愛くて負けてしまいそうだ……」

