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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

急ぎながらも窓の外を見ると、自然豊かで広々とした綺麗な庭が目に入ってきた。
緑色の絨毯のように見える芝生に、花壇には日常生活ではあまり見かけない淡い色の花が何種類か咲いている。
雲一つなく晴れている青空にぴったりの庭。
開いていた扉からそこへ出てみて周囲をぐるりと見渡した。すると、二階の大きな窓の前でしゃがんでいるヘアメイクさんの姿があった。
やっと見つけた……!
建物の中を戻ろうとした時、庭の方から誰かの話し声が聞こえてきて私は足を止める。
「来るのが早すぎじゃないですか?」
「いいじゃない。アタシも親族側のテーブルで理人くんの隣なんだし。結婚式場を歩いているとなんだか恋人みたいね。……次に結婚するのはアタシたちだったりして」
建物の陰になってまだ姿は見えないけど声を聞いた感じ、二人の男女が散歩をしているようだった。
「僕は那砂と結婚しませんよ。っというか付き合ってもいませんが」

