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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

顔を見ている暇もなくて立ち去ってしまったけど、私のことを知っている人がもう二人来たみたいだった。
建物の中に入ってから階段を上がり、ヘアメイクさんがいる二階へと向かう。
すると姿を見た場所ではなく、少し移動していて解放されている窓手摺から外を眺めていた。
「はぁっ……、はぁ…、やっと見つけました……」
「花嫁さん……!?勝手に抜け出してすみませんでした!しかもウエディングドレスを着たままでここまで……」
控え室を出てからもずっと泣いていたのか、ヘアメイクさんの目が腫れぼったくなっている。
逃げ出してしまって私を恐れているのか近づくと後退りをされた。
それでも小走りをして乱れた息を整えてから口角を上げて彼女と向き合う。
「あとは髪だけなんです。アップがだめならハーフアップでいいのでお願いします」
「怒ってないんですか……?」

