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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

愛おしい人の声がどこからか聞こえる……。
この声を聞くと何があっても大丈夫だと思えてしまう。
自分の体が地面に向かって落ちて行く今も驚いてはいたけれどそう思っていた。
なんとかなるって……。
思っていたように私の体は地面に落ちる前に誰かにしっかりと受け止められていた。
高いところから落ちた衝撃があったせいで私を抱いたまま倒れてしまったけれど、助かったことだけは分かる。
澄んだ青い空と一緒に瞳に映ったのは白いタキシードに身を包んだ愛する人の姿で嬉しくて笑みが零れた。
「ソラ先輩!」
「怪我はないかい?」
「はい。私は大丈夫です……けど……」
視線をソラ先輩の周りに向けて見ると、スーツを着た三人の男性がクッションのように下敷きになっていた。
恐らく私を受け止めるソラ先輩を支えて助けてくれたんだと思う。
「塑羅緒さんと風子さん……、重いです……。早く退いてくれませんかね……」

