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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

「今日くらい風子を甘やかしてやってくださいよ。……理人さん、郁哉さん、颯太一緒に助けてくれてありがとうございます」
会釈をしたソラ先輩の後に続いて三人に向かって私も頭を下げる。
三人は呆れながらも微笑んで私たちの方を見てくれていた。
その視線がなんだか温かい……。
大人だからと言うよりも、私とソラ先輩には彼らと親しくなるような何かが過去にあったように感じた。
「夫婦になっても世話が焼ける奴らだ。ヒヤヒヤさせやがって」
「ああ。見ていて飽きない人たちだな」
「何をやらかすか分からねえ。……ってか、さっきから気になってたけど誰ですか?」
「新婦の会社の上司だ。早く来すぎて散歩をしていたらここへ辿り着いてしまってな」
「そうでしたか。オレは塑羅緒の従兄弟です」
知らない人同士もいて繋がるきっかけもこの場で生まれたようだけど……。
「那砂も手を貸してくれれば支えきれたのに薄情な人ですね」

