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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



「いいえ、どうぞ」


駆けつけてきたヘアメイクさんに拾ったスマホを渡すと、すっかり泣き顔が見えなくなって安堵していた。



「ありがとうございます。これで先輩に電話を掛けて髪型についてどうするか聞くことができます。……花婿さんにゲストの皆さん、容姿端麗な方々ですね。

花嫁さんも美人ですし、お姫様と王子様と騎士って感じがします。……あっ、こんなことを言ってすみません」


王子様はソラ先輩で騎士が郁哉さん、理人さん、颯太さんっということになるんだろうか。


素敵なイケメンの男性たちに自分が囲まれているのが信じられないけど……。


ソラ先輩たちは声を出して笑っていたけど、お姫様と言われた私は顔が熱くなる。



「失礼しました。今髪型について相談してみますね」


ヘアメイクさんが職場の先輩に電話を掛けようとした時、那砂さんが私たちの方へ近付いてくる。


近くで見ると身長が高くて骨格も男らしい人だった。



「腰巻をつけてるってことはあなたがヘアメイク担当?花嫁のヘアアレンジはどうしたのよ?
もうウエディングドレスを着てるって順番おかしくない?」


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