この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

控え室に戻ると那砂さんが指示をしてヘアアレンジが再開された。
周りの皆が信頼している通り、スムーズに作業が進む。
まずは走って少し崩れた化粧を直し、ドレスについた埃もはらう。
その後に首の後ろの痣をなんとか上手くカバーしてもらい、髪の毛を上げても何ら違和感がなくなった。
長い髪をお洒落にまとめて上げると肩やうなじが露わになり、先程よりもウエディングドレスがより一層栄えて見えた。
「これでオッケーでしょ。悔しいけどすごく綺麗だわ。ドレスも似合ってるじゃない」
渡されたウエディンググローブを両手につけてから全身鏡で確認する。
身につけている純白のドレスに、魅力を引き出してくれるようなヘアメイク。
キラキラと輝いている自分が鏡に映っている現実が信じられない。
まるで本物のお姫様になったような気分だ。
「旦那くんも風子ちゃんが綺麗だと思わない?」

