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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

先に準備を終えたソラ先輩の方を向き、口紅を塗って艶が出ている唇を噛んで照れくさく思いながらに感想を待つ。
「もちろんそう思いますよ。言葉にできないくらいです。……風子、最高に綺麗だよ」
白いドレスを見に纏った私の姿を下から上へと見てから頬を緩めて花嫁姿を褒めてくれた。
私が記憶を失くしてしまってからソラ先輩がいつもどこか悲しそうな顔を見せる時があったけどやっと笑ってくれた。
心からとても幸せそうに……。
「ありがとうございます。ソラ先輩も白いタキシードがとても似合っていて素敵です」
その笑顔を見ているとじわりと涙が滲んできて口元を押さえた。
いつも助けてくれたり、幸せにしてもらってばかりで私から笑顔を与えることができなかったからやっとそれができた気がして嬉しい。
しかも、そのきっかけがあなたの花嫁になった私を見て喜んでくれたことだったから……。

