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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



ウエディングドレスを着て歩いている様子をたくさんの人が見守ってくれている。


緊張しながら足を進めている時に、ふと頭に過ったことがあって足を止めてから目を閉じた。



* * *



何もない真っ白な空間にはウエディングドレスを着ている私と泣いている小さな女の子がいた。


たったひとり。

ひとりぼっち。


泣いているその女の子は私なんだと思った。……そう、小さい頃の傷ついている私。



『ひとりぼっちで寂しいよ……』


近づいてみると小さい頃の私は両手で涙を拭い、鼻をすすりながらそう言った。


幼い頃に育ての母親から愛をもらえなくて泣いていることが多かった。



愛が欲しくて、愛を感じたくて誰かに抱きしめてもらいたい……。


そう願い続けていたのに、愛を与えられることがなくて生きていることが苦しくなった。


産まれてからひとりで歩み始めて真っ暗いトンネルから抜け出せなくて、太陽のような明るい光を見ることはできないと思っていた。


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