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第62章 愛おしいあなたに……

「海田……！」


いつにも増して焦っているような口ぶり。

どうやら海田先輩が言ったことは図星のようだ。


「私のために掛け持ちしてくれていたんですね。その頃から好きでいてもらえてすごく嬉しいです」


そう言うと更にソラ先輩の顔が赤くなる。


照れているところも好きで、腕を組んでいるけどもっとくっつけるように身を寄せて笑った。


記憶がなくなってしまって知らない人だらけ。


でも全く怖いと思えないのは優しい人たちに出会っていたからなんだと思う。


周囲をぐるりと見渡すと誰もが笑っていて私たちの幸せを祝福してくれている。


その中にブーケトスをする時がやってきて、目がついた人の方へ私は真っ白い花束を上向きに投げた。