この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

どこに投げようか見渡して誰に次の幸せを贈るかソラ先輩も考えているようだった。
誰に受け取って欲しいのか楽しみにしながらその様子を見守る。
軽やかにブロッコリーを投げると宙に舞い、次の幸せを手に入れる人へと落ちていく。
それが渡ると再び拍手が湧き上がる。
なんとソラ先輩が投げたブロッコリーを手にしたのは、前に出てきた男性の中でも一番端にいた郁哉さんだった。
取ることができて最初は驚いていたようだけど、切なそうに微笑んでから私たちの方を見て会釈をしていた。
「ねえ、ソラ先輩。狙って投げました?」
周りに聞こえないようにこっそりと話掛けて真相を聞いてみる。
「ふっ、どうだろうね。でも郁哉さんにも幸せになってもらいたいかな。
……多分、記憶をなくす前の風子も同じ気持ちだと思うから」

