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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



郁哉さんが面倒見のいい上司だということは今の私も知っている。


ただの上司だったらここまで幸せを願ったりしないだろう。


私だけでなくソラ先輩も親しいということはそれ以上に何かがあったんだと思う。


「そうですね。私もそう思います」


過去に何があったのか思い出せないけど、ほんの少しだけ胸が苦しくなるのは彼に幸せになって欲しいからなのかな……。


郁哉さんに向けていた視線をソラ先輩の方に向けて私はにっこりと笑った。



真っ白いウエディングドレスを見にまといながら見上げる雲一つない青くて広い空。


幸せの鐘が鳴り響くその瞬間を心から愛する人と一緒にいることができる未来がやって来て、夢を見ているような気分だ。


でもこれは夢ではない。


だから、もう少しだけこの幸せに浸っていたい。




今日だけはせめて……――――



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