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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



「風子……。顔色が悪いけど大丈夫かい?」


「だっ、大丈夫です……。朝に薬を飲み忘れただけですから」


朝はなんともなかったのに挙式を終えて控え室へ戻ると急に激しい頭痛がやってきた。


割れてしまうかのような痛みに耐えられなくて、椅子に座ってもたれ掛かる。


心配してくれているソラ先輩が急いで水と薬を持ってきてくれて私はそれをごくんと飲んだ。


「これで大丈夫ですから。披露宴もばっちりです」


「本当に……?」


しゃがんで眉を八の字にして椅子に座っている私の顔を見上げてくる。


ソラ先輩にこんな顔をさせてはいけない……。


その不安を打ち消してあげられるように精一杯の笑顔を作ってみせた。



「はい!だから一緒に夢のような今の時間を楽しみましょう。

挙式だけじゃなくて披露宴も楽しみにしていたんですよ。……ところでお姫様だっこは本当にするんですか?」


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