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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



「んっ……、ふぅ……」


唇が離れた時に吐息を漏らす私。


足りないと言うと満足すぎるほどソラ先輩は与えてくれるようだ。


それともソラ先輩も本当に足りなかったのかな……。


どこまでも私を求めてくる強欲な人。



キスをしている間は蕩けてしまうような熱で頭の痛みを忘れられる。


立とうとした時とは違うけど、また体の力が抜けてきてタキシードの袖をぎゅっと掴んだ。



でもキスをしている時にドアの向こう側から足音が聞こえてきて名残惜しくも離れた。


「準備はよろしいでしょうか?」


「はい。問題ないです」


まだとろんとした表情が抜けきれない一方、ソラ先輩は何もなかったような顔をしてドアを開けたスタッフと話していた。


披露宴もきっと上手くいく。


誓いのキスも終わったし、残りの恥ずかしいことはお姫様抱っこくらいだ。


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