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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

一種のパフォーマンスだと言っているようにソラ先輩は爽やかな笑顔を周囲に向けてから会釈をする。
ゲストもそう思ってくれたようで再び拍手の嵐が巻き起こった。
「ありがとうございます。助かりました」
「体調が悪くなったら無理をしないでちゃんと言うんだよ」
「はい。そうします」
にっこりと笑い掛けてから私たちしか見えないテーブルの下で手を重ねた。
それから開宴の挨拶が終わり、スタッフと最終確認をした時のように何事もなく進んでいく。
でも次に行われる新郎新婦の紹介は司会者ではなく、私たちで話すことにしていたようで入場した時よりも大きな緊張がやってくる。
「そっ、それではまず私の夫となりました大空 塑羅緒さんを紹介させていただきます」
紙に書いてある生い立ちを読めばいいだけだからなんとかやり遂げることができた。
記憶が亡くなってしまって忘れていたから紹介文を読んでいて改めて自分の夫のことを知った気がする。
一通り読み終えた後、次はソラ先輩が私の紹介をしてくれた。

