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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……



まだぼーっとしている顔でソラ先輩のことをじっと見つめているとすかさずキスをされた。

そのキスは体を重ねてもまだ物足りないと言っているようにも感じる。


せっかく作ってもらったご飯を温かいうちに食べようと思い、私はゆっくり体を起こす。


でもまだセックスでの疲労が体に残っているのかスムーズに起き上がることはできなかった。


「焦らないでいいよ。また温め直せばいいんだから」


微かに笑みを浮かべながらソラ先輩が腰を支えてくれてそれに私は甘えてしまう。



「温め直す……」


一度冷めてしまっても出来立ての時と同じ味がするんだろうか。


どうしてなのか、ふとそう思った。せっかく作ってくれたのに戻れない味となってしまうのは勿体ない。


未来には進むことができるけど、どうやっても過去には戻ることはできないのだから。


「その前に食べたいです。……くしゅんっ」


「おっと。風邪を引いたらいけないな。立てそうになったら教えてね」


こくんと頷いた後、ベッドの近くに置かれている机の椅子にかかっていたある物が目に入ってきた。


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