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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……

それは仕事から帰ってきた後にソラ先輩が外したネクタイだった。
忙しい日々を送っているからなのかまだ片付けていなかったようだ。
「ねぇ……、縛らないんですか?」
「ん?」
ソラ先輩に少し首を傾げられて、自覚がないまま変なことを言ってしまった事態に気づいて口を閉じる。
でもネクタイを見て話してしまったことを思ったのは言うまでもない。
本来の用途とは異なることを聞いてしまったせいなのか、ソラ先輩は私から何かを聞き出すように見つめてくる。
「精神的にってこと?……それとも体にするようなことかな?」
「っ……」
「答えないとまたさっきみたいなことをするぞ」
嫌ではないけどマイルドだった口調が急に変わって驚いた私は素直に従ってネクタイの方を指を差した。
「えっと……、それで……」
「ネクタイで縛られたいってことか。……どうしてそう思ったの?」

