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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……



“縛られたい”とは言っていない。でもソラ先輩は椅子にかかっていたネクタイを持ってきて私の隣に戻ってくる。


いきなり腕を握られて引き寄せられると、体を隠すために掴んでいた布団がはらりと落ちた。


まだ着替えていないから露わになっている胸を再び見られる羽目になる。


その瞬間をソラ先輩は見逃さなかったのか、すぐに胸に視線を飛ばしてきたのは言うまでもない。


「分からないですけど、ネクタイを見たらそう思ったんです」


「そうか……。懐かしいね」


何が懐かしいんだろう……。


質問する暇もなくソラ先輩は私の自由を奪うように両手首をネクタイで軽く縛った。


すぐに解けるくらいの緩さで痛くはないけど手首を合わせることによって胸が中心に寄り、強調しているようにも見えて恥ずかしく思えた。



「裸姿を見ている時にネクタイを持ったらこうやって縛りたくなるけどな」


どこまでが冗談なんだろう。普段から何を考えているのか読めないから難しい。


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