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愛おしいキミに極甘な林檎を
第64章 番外編:危険な逆ハーデート



それは背中がひんやりとしているからだ。


私は気を失ってから一体どうしてしまったんだろう……。


目を開けた時にはすぐ側で私を心配そうに見下ろしているソラ先輩の姿があった。

パタパタと手で扇いで僅かな風も送ってくれている。

ぼーっとしたまま大好きな人の顔に手を伸ばして頬に触れると、微かに笑って手を重ねてくれた。


「風子、目を覚ましてよかった。大丈夫かい?」


「ソラ…先輩……。私は……」


「のぼせて気を失ってしまったみたいだね。……ごめんね。俺が長風呂をさせてしまったから……」


「いいえ……。私はもっと入っていたかったですから何も気にしないでください……」


「喉が渇いているだろうし、車から飲み物を取ってくるね。まだ横になっているんだよ」


「はい……。ありがとうございます」


どうやら私は温泉からあがってすぐ側にある平らの石畳の上に寝かせられていたようだった。


背中がひんやりしているのは石畳のおかげで、まだ裸でいる体にはバスタオルが掛けられている。



「乙羽、大丈夫か……?」


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